希望の光 [現実と夢]
もう・・・何も俺には残っていない。
一人の男は全てを放棄しようとしていた。
いつからこんな世の中になったんだろう。いつから俺は歩むべき道を何処かで踏み間違えてしまったんだろう。
思わせぶり 煽り 根拠のない誘惑 争い 騙し合い 腹の探り合い
いつからこんなに窮屈な世の中になったんだ
男は閉じていた目を開ける
そこには、ただただ黒い、いや、暗闇が男を覆っていた。
どこを見てもただ暗闇がどこまでも続く
「もう疲れたな・・・。」
もう何も考えられない。何も見えない。まるで今の俺の心のようだ
男の手はボロボロになっていた。痛いと言う感覚すらない程に
目の前に立ちふさがっていた難関は、数えきれない程の無数の扉。そして鍵穴。
その鍵穴一つ一つの向こう側からはこちらを覗く「目」が見えていた。男を覗く、いや監視しているようにも見えた。
数えきれない程の扉を開けた。だが、いつになってもこの暗闇から出る事ができない。
鍵はボロボロになり男の精神力も限界に達していた
「諦めよう」
無気力 脱力感 わずかに持っていた「希望」は「絶望」に変わり果てようとしていた
悔しさも通り越し、涙さえもでない。
「ここで無駄あがきする事さえも意味のない事だ。もう自分自身さえも信じる事さえもできないまま俺は終わる。・・・・それでもいい。夢も希望も何もない。このまま絶望と共に・・・」
もうろうとした意識の中で何かが光った
迎えが来たのかと思いながらその光を眺めていると、目線の先には小さい男の子の影が見えた
暗闇のなかでぼんやりと輝く中で少年が笑顔でこちらを見ていた。
どこかで見覚えがある顔。
意識がもうろうとしていてハッキリと視界が定まらない中でその少年の後ろから何かが現れた
大きなフィルム
そのフィルムには今までの自分が映りだされていた。
・・・・。こうやってみると俺は自分の知らない所で沢山の人に助けられ、支えられてきたんだな。
仲間 恋人 そして最愛な家族・・・。
俺は一人じゃない・・・。
カチッ
何か音が聞こえた。
「歯車」が回り出す
男の心に何か温かい感情が入り込んできた。
今までの絶望とは違う暗い冷たい感覚ではないそれは
「希望」
少年は男に手を差し伸べた。懐かしい感覚。
その手を握った時に男は解った。
少年は男を見ながら笑顔で「ここでずっと待ってるよ」
涙さえも枯れ果てたと思った目からは溢れる程の涙が流れだした。
その少年は幼い時の、自分自身の姿。
何も迷いもない純粋な心と沢山の希望に満ち溢れていた自分自身がそこには確かにいた。
「また、必ず逢えるから」
その言葉を最後に言うと少年は光となって男の前から姿を消した。
ま・・待ってくれ!!
男は周りを何度も見渡したが少年の姿を見つける事はできなかった
自分自身を失い、信じる事を亡くしそうになった男に少年は本当に大切な物を思い出させるために現れたのだろう
男の目線の先には封筒とペン、そして鍵が置いてあった
封筒の中には綺麗とは言えない文字で紙に「ありがとう」。男はその手紙を握りしめた
「もう何も迷う事はない」男は迷う事なくその鍵で無数にある鍵穴に鍵を挿した・・・・
世の中、目の前にある事そして本当に正しい事が決して正義でも真実でもありません。
その形は様々な形で私達に問いかけてくるのではないでしょうか?
現実では考えにくい事も時には「奇跡」として起こりうる事さえもあるのではないでしょうか?
今回のこのお話が本当にあった事、もしくはフィクションかは皆さんのご想像にお任せします
ここまで読んで頂きありがとうございましたm(__)m
希望の光~La Iumiere de l' espoir
一人の男は全てを放棄しようとしていた。
いつからこんな世の中になったんだろう。いつから俺は歩むべき道を何処かで踏み間違えてしまったんだろう。
思わせぶり 煽り 根拠のない誘惑 争い 騙し合い 腹の探り合い
いつからこんなに窮屈な世の中になったんだ
男は閉じていた目を開ける
そこには、ただただ黒い、いや、暗闇が男を覆っていた。
どこを見てもただ暗闇がどこまでも続く
「もう疲れたな・・・。」
もう何も考えられない。何も見えない。まるで今の俺の心のようだ
男の手はボロボロになっていた。痛いと言う感覚すらない程に
目の前に立ちふさがっていた難関は、数えきれない程の無数の扉。そして鍵穴。
その鍵穴一つ一つの向こう側からはこちらを覗く「目」が見えていた。男を覗く、いや監視しているようにも見えた。
数えきれない程の扉を開けた。だが、いつになってもこの暗闇から出る事ができない。
鍵はボロボロになり男の精神力も限界に達していた
「諦めよう」
無気力 脱力感 わずかに持っていた「希望」は「絶望」に変わり果てようとしていた
悔しさも通り越し、涙さえもでない。
「ここで無駄あがきする事さえも意味のない事だ。もう自分自身さえも信じる事さえもできないまま俺は終わる。・・・・それでもいい。夢も希望も何もない。このまま絶望と共に・・・」
もうろうとした意識の中で何かが光った
迎えが来たのかと思いながらその光を眺めていると、目線の先には小さい男の子の影が見えた
暗闇のなかでぼんやりと輝く中で少年が笑顔でこちらを見ていた。
どこかで見覚えがある顔。
意識がもうろうとしていてハッキリと視界が定まらない中でその少年の後ろから何かが現れた
大きなフィルム
そのフィルムには今までの自分が映りだされていた。
・・・・。こうやってみると俺は自分の知らない所で沢山の人に助けられ、支えられてきたんだな。
仲間 恋人 そして最愛な家族・・・。
俺は一人じゃない・・・。
カチッ
何か音が聞こえた。
「歯車」が回り出す
男の心に何か温かい感情が入り込んできた。
今までの絶望とは違う暗い冷たい感覚ではないそれは
「希望」
少年は男に手を差し伸べた。懐かしい感覚。
その手を握った時に男は解った。
少年は男を見ながら笑顔で「ここでずっと待ってるよ」
涙さえも枯れ果てたと思った目からは溢れる程の涙が流れだした。
その少年は幼い時の、自分自身の姿。
何も迷いもない純粋な心と沢山の希望に満ち溢れていた自分自身がそこには確かにいた。
「また、必ず逢えるから」
その言葉を最後に言うと少年は光となって男の前から姿を消した。
ま・・待ってくれ!!
男は周りを何度も見渡したが少年の姿を見つける事はできなかった
自分自身を失い、信じる事を亡くしそうになった男に少年は本当に大切な物を思い出させるために現れたのだろう
男の目線の先には封筒とペン、そして鍵が置いてあった
封筒の中には綺麗とは言えない文字で紙に「ありがとう」。男はその手紙を握りしめた
「もう何も迷う事はない」男は迷う事なくその鍵で無数にある鍵穴に鍵を挿した・・・・
世の中、目の前にある事そして本当に正しい事が決して正義でも真実でもありません。
その形は様々な形で私達に問いかけてくるのではないでしょうか?
現実では考えにくい事も時には「奇跡」として起こりうる事さえもあるのではないでしょうか?
今回のこのお話が本当にあった事、もしくはフィクションかは皆さんのご想像にお任せします
ここまで読んで頂きありがとうございましたm(__)m
希望の光~La Iumiere de l' espoir
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