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心の叫び [消えない傷痕]

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暗闇の中一人の男は難関に立ち留まっていた。精神的にも肉体的にも限界を感じていた

僅かな希望にかけて男はたった一人大きな難関に立ち留まっている

足はもつれ、たった一歩踏み出す事さえも出来ない程の極限状態。それでも例え半歩でも足を引きずりながら前向かう

誰にも助けを求める事もできない。誰にも男の声、叫びに耳を傾けようとしない。
今までの事を振り返る。

家族のため、そしてみんなの幸せのために今まで身を削り頑張ってきた事が一瞬で手から離れていった。信用も十分にあった。便りにもされていた。それが男の誇りでもあった

幸せを感じられる時もあったはず
その幸せが世の中のイタズラによって男は奈落の底へと突き落とされる
誰が悪いわけでもない。心ではそう何度も呟く。今まで築きあげてきた多くの糧は全て泡のように弾いて跡形もなく消え去った

湧き上がる孤独と虚しさ。
虚無感が男を暗闇の中に誘いこんだ
いつか必ず光が差す場所に辿り付けると言う淡い希望も漆黒の暗闇が全てかき消してしまう

家族からも見放され自分の居場所さえも失い彷徨う男はある場所へ辿り着く
長年住んでいた場所である家に辿り着いた
家族を持つ前に長い間いた場所

そして全てを失った男は導かれるようにこの場所に辿り着いた
きっと偶然ではなく必然的な見えない力が働き此処に呼び寄せたのだろう
誰もいない暗い部屋

季節は真冬の一月
暗くなるのも早く光が差し込まれる事もない部屋で男はただ目を閉じる

こんなはずではなかった・・・
誰もいない場所で男の悲痛な叫びが響く

昔を思い出す

沢山の出来事
思い出
少なからずも幸せな時間もあった

今は違う。生きる屍
生きる事の辛さ
苦しみ
絶望

超える事が出来ない難関

再び男は目を閉じる
この苦痛から抜ける事が出来るたった一つの方法へと動きだす

その後私の所に電話がきます。
それは紛れもなく私が長い間私の事を弟のように可愛がってくれた恩人が亡くなった電話

「虫の知らせ」

私はその出来事が起きる数時間前に近くを車で移動していました
なんだか嫌な胸騒ぎがしていた事は今でも覚えています

「まさか」

とは思いつつ用事を済ませるために顔を出す事はせずにそのまま逆方向に

あの時・・・今でも後悔が残ります
一人になると今は跡形もないその場所に足を運ぶ事があります

これは私に関わる実話です

人間は時代が変化するごとに冷たい生き物になっていく事が肌で感じる程思えてなりません
人は温かい血が流れている生き物です
それを忘れずに手を取り合い助け合っていきたいですね
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ここまで読んで頂きありがとうございました

              
            
             
             
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